風の舞い--モノクロームの水彩画

裸婦デッサンや単純化を目指したイメージスケッチを楽しんでいます。

林を抜けて

ちょっと昔の映画ですが、ジェイコブス・ラダー(1990)というのがありました。ホラーとも言える映画ですが、長くなるので簡単に言うと、人は死の直前に長い夢を見る。よく言われることですが、早く言えば人生最後の走馬灯でしょうね。

林の道をを行くイメージ

林を抜けて

映画のなかにはかなりグロいシーンもあります。角の生えた怪物も出てきます。色んなシーンが重なって自分が何者なのかどの世界に住んでいるのか判然としません。最後に、打ちひしがれる主人公の前に死んだはずの息子が現れて光の方へ導きます。大丈夫だよ大丈夫だよと息子は言っています。主人公は負傷した男性のベトナム戦争従軍者で、そこで息を引き取りました。

映画が語っていることはもっと複雑ですが、最後のシーンは特に印象深いです。私がモノクロで描いている絵は光に向かうシーンが多いのですが、これがかなり影響していると思います。あまり長文は書かないようにしますが、この二三年に起きている事柄と世の中のイメージが、私の頭の中で妙に絡むのですよね。

抜け出る道があるでしょうか。海外とは別の事情があって、もしかしたら日本はもう抜け出ているとの説もありますが、期待したいところですね。
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大方の絵はなるべく水墨画風に描きたいと思っていますが、その場合、一度筆を置いた部分へはなるべく加筆しないように修練する、私の場合はこれが大前提です。もっともこれは水墨画に限らずどんな絵でも基本的にそうだと思います。

従ってできるだけ一度で済むような濃度の計算をするのですが、絵の具が変わって以来苦戦しています。乾くと灰色っぽくなって、絵の具にもしかしたらなにか混ざってるかも知れません。画像では分かりにくいのですが、この絵にもそういう部分があちこちにあります。

百均以外では今までそういう経験がなかったのですが、絵の具の性格の違いはあるものだと痛感しました。通販で従来使っていたものを買おうと思っていますが、黒ばかりゴロゴロするなとため息です。