何度もやっている形抜きの練習です。
過去の巨匠の油絵を元にしていますが、ドレスが魅了的だと思いましたのでちょっと練習に使わせてもらいました。と言ってもそれなりにポーズはアレンジしています。今頃はこんなドレスを着ることはありませんからね。
くり抜くように周りを描きます。なるべく単純に主体を描き残す練習なのですが、何故このような練習が要るのか、ということに関しては様々考えがあると思いますし、あまり興味の持てない方も居られると思います。
しかし私個人は、この練習に愛着を持っています。何度か申し上げていますが、この練習が積み上がっている人の絵は、透明水彩に於いては特に魅力的だと思います。
私はあまりその言葉を使いませんが、要するにこれはネガティブペイントです。描こうとする主体だけではなく、それを取り囲む周りの形に対する素描力をつけるのは非常に重要だと考えます。
事物がなんであれ、形が充分に観察できたときは、描かれたシルエット、この場合は抜かれた側ですが、それは美しいのだと考えます。
できるだけ単純に大雑把に描き残す(塗り残すと言っても良いですが)練習をしたいと思います。大まかな全体の形をまずどっしりと確保する。細部へ行く前の、ここが重要なアタックだと思います。
このような練習では、同時に筆の練習をすれば良いと思います。手首から下はなるべく動かさずに、腕全体で描く練習です。細密画を描くのでなければ、息の長いラインを描くムチのような植物などはそれでしか描けません。物のしなりは概ねそうです。
機会があればまたやってみたいと思います。
本日もありがとうございました。