風の舞い--モノクロームの水彩画

裸婦デッサンや単純化を目指したイメージスケッチを楽しんでいます。

隧道への道

ずいどう--なんて読み方を昔教えてもらっていたのにすっかり忘れてしまって--たいどう--なんて言って丸善で本を頼んでしまった。あちらさん、知っていたのだろうけど客に恥をかかせないように調べて本を出してきてくれました。

 

工事用トンネルへの道を抽象風に描く

 

吉村昭さんの小説に--高熱隧道--と言うのがありまして、戦前の、まだ労働環境など劣悪な時代に苦労してトンネルを掘るノンフィクションです。危険な作業だから高い賃金を払わないと人が来ない。岩盤の温度が160度を超えているようなところもあって、労働者は水をかけてもらいながら進んでいく。それでも皮膚は焼けただれると、そんなことのようでした。正体不明の突風などもあって、犠牲者は300人以上。黒部の発電所を建設するための工事だったようです。

ああいうのって直に見たことはないのですが、試験トンネルみたいなのを掘って、そんなところから始めるのでしたっけ。確か青函トンネルも皆そうだったと思います。しかしながら、地熱がそんなにあったら完成しても通れないじゃないかと思うのですがどうなっているのでしょう。まあ、どうにかなっているのでしょう。空気の流れで勝手に下がって行くのでしょうか。今はトロッコ列車で行けるようになっているみたいですね。行ってみたいですけど。

しかし人間は大変なことをやってきている。とくに日本人は、難工事を割と果敢にやる民族なんだなと思います。畑の違いと言うか、私などには絶対無理な仕事です。軍艦の例を言えば、工期の遅れで責任を感じて切腹した人もある時代です。社会が柔らかくないし、労働する方も現場を任される方も。責任に押しつぶされるでしょうね。

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更新がままならなくなって久しいですが、他に色々とやり過ぎている面もあるのですが、最近は眼が衰えてどうにもなりません。眼は元々良くないのですが、歳と共に劣化を顕著に感じるようになりました。いつまで絵を描けるかなとこの頃は少し心細く思っています。

このブログは陰影を考える目的で、むしろ自分の確認用として極適当な感じで始めたものですが、そんなに長く続けるつもりは元々ありませんでした。全然ダメであったものが何度もトライすることによって解決されたり目的が達成されたりします。絵には到達点などと言うものはありませんが、なんでも似たようなものだと感じます。

そんなことで、今は後回しにばかりなっています。今後も多分こんな調子ですが、続く間はのんびりとお付き合いください。

本日も有難うございました。