風の舞い--モノクロームの水彩画

モノクロを主とした裸婦デッサンや単純化を目指したイメージスケッチを楽しんでいます。

斜面の絵幾度か

斜面の絵はこれまでに何度も描いています。別に斜面が好きって訳じゃないのですが、因縁を感じるのですね。何しろ斜面を転がり落ちるような人生でしたから。

それがまた、高い所からだとまだしも、低いところからどん底ですからね、話になりません。

あ、高い所からだと逝ってしまいますね。まだどうにか生きているので…。しかしながら、ちょっと登ったと思ったらまた落ちてを繰り返す人生でした。七転び八起きどころじゃありません、八転び七起き。余裕もないのに何故絵を描いているかと言うのも、なんと言うかですね…。

砂の女って小説があったのですが、知っている人はもう少ないかな。安倍公房の作で、映画化もされました。岡田英二と岸田今日子だったのですが、後にリメイクされたのは知りませんでした。砂浜の深く抉れた底に家があってそこに住んでいる女が居る。それ岸田今日子。昆虫学者かなにかの男が旅館の代わりに泊めてもらうのだけど、出られないところとは知らなかった。砂が意思を持っているようで登っていけないのですね。でもこの女は深情け。悪くはないのです。今思うと岸田今日子さんも不思議なキャラでしたし安倍公房さんも他人の顔とか不思議な小説を書いてました。

出られないと言えば砂の器も有名です。こっちは松本清張さんですが、出られない器なんですよあれも。私も生きてきて、あがいてもあがいても登れない斜面ばかりで、それならいっそ底に誰かが待っていてくれないかと思う訳ですよ。今からでもね、ないですかね。無理かな…。

正月からこんなぼやきですからね、今年一年も多分去年と同じことを繰り返して実り無し。

なんと言いますかね、一発バーンと、愉快なことがないかと思っているのですが、最早出歩くのが面倒になっているくらいですからどうにもなりません。精々居酒屋でため息。人生の底。わっはっは。

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結構縦長ですが、スケッチブックの閉じ方向でこうなるのですね。小さなスケッチブックで面積一杯取って描いているので…。

本日もありがとうございました。