暗示的な描画をさらに進めたいと思います。
これは兜です。誰の兜でしょうかね。確か、上杉謙信がこんな前立をしてましたでしょうか。実はわたしは謙信が大好きです。あんな不思議な武将は居ないと思います。余談でしたが…。
椅子に座って胡座の女性です。言わなくても想像つきますね。
何かと思われるでしょうが、これはドレスです。裸婦以外の人物を単独で描かれることが多い人は衣装だけを練習してみるのも面白いと思います。これも身につけている人の個性がよく表れるものだと思います。身体を包むことによって人より人らしくなると、誰かが言っていました。
まず全体のシルエットを精々二三度の筆使いでやってしまいます。それで雰囲気を出す練習です。
これらの練習は、一見他愛のないことに見えるかも知れませんが、実はそうでもありません。もちろん、私の個人的な練習方法ですが…。
絵を描いていて私が思い至ったのは、まず学校絵画から離れようということでした。乱暴な言い方かも知れませんが、あんな辛気臭いものはありません。しかも、描かれたものは概して面白くない。世界レベルの巨匠の素描を見ればわかります。学校絵画とは全然違ってもっと自由です。
もちろん全部は否定しません。しかし絵画は、というよりアートは、まったく個人的な作業なので、自分が面白いことがまず第一です。
私があるときふと気付いたのは、偶然に散らかった模様などが見事にあるものを想起するかの如くの形になっていて、それが作為的に得られる描写よりもリアルで面白いことが多いことです。そういうものは、輪郭から緻密にアタリをとって描かれたものではありません。その辺に絵画の面白さのひそみがあるように思いました。
しかしまず大雑把な形を単純にモデリングできるようになれればと思っています。その意味で、まずシルエットの印象を確かなものにすることから取り組むのは面白いと思います。
本日もありがとうございました。