風の舞い--モノクロームの水彩画

裸婦デッサンや単純化を目指したイメージスケッチを楽しんでいます。

夕暮れの運河

これは強い印象として残っているイメージです。夕暮れの運河とその向こうに見える煙に包まれた工場。実際にこんなに煙が上がっていることはなかったですが、描画上はこの方が面白い。

子供の頃、大阪市内の城東運河と呼ばれる運河の近くに住んで居たのですが、その辺のどぶ川よりも汚い河でした。Googleの地図を見ると今は城北川となっているようですが、住民は皆城東運河と呼んでいました。

時折、平たい砂利運搬船みたいな船が行き来することがあったのですが、一体何を運んでいたのかと思います。やっぱり砂利?それともヘドロかな。

私が大阪を離れる前に既に水質は改善されて魚も棲めるようになっていたのですが、驚くべきことに、当時のヘドロ状態でも何か棲んでいた気配がありました。波を立てる得体の知れないのを目撃しました。残念なことに水が不透明な程に黒いのでそれが何であるかは知れませんでした。目撃したのが私一人だったのが悔やまれます。

今は運河の上に道路が通じていますが、凄い変わりようです。

もう一つ、家電メーカーの社員だった頃、仕事仲間の友人の家を訪ねたら、安治川の堤防の目の前でして、これも五十歩百歩の汚い川でした。夜だったので真っ暗で、ただ堤防と向こうに見える工場と思しき建物の灯りがだけが印象的でした。その殺風景に、凄いところに住んでいるなと思ったものです。古い小さな二階建ての一軒家だったと思います。

しかし彼の家があったと思しき辺りをは既に探せません。堤防の北側だったと思いますが、もうそれも分かりません。今ビューで眺めても、とても民家があったような雰囲気のところを見出せません。

工場が汚水を平気で垂れ流していた時代で、陽が暮れると風景そのものがオカルトでした。きっと余計に誇張された形で記憶で残っているのですね。

本日もありがとうございました。