風の舞い--モノクロームの水彩画

裸婦デッサンや単純化を目指したイメージスケッチを楽しんでいます。

城跡

近所の山の上に小さな城跡が幾つかあるのですが、当時から残っていると思われる岩があります。そういのをちょっとイメージして描きました。

城跡

いつもとちょっと違った雰囲気だと思うのですが、これは白を加えて不透明にした不透明水彩です。いつもは水で薄く溶くだけの水墨画透明水彩と同じ描き方をしています。

確か、以前ガッシュで描いてみようと言ったことがあったのですが、なさないままでした。ガッシュと言えば普通は不透明に描いたものを指していたはずですが、今では固有の絵の具の名称だと思われています。しかしどんな絵の具でも、それが例え透明水彩用の絵の具でも白を加えれば屈折率があがるので不透明になります。勿論、透明水彩の絵の具でそんなことをする必要はありません。あれは高価ですから。

ガッシュで描くことは非常に魅力に富んでると私は思います。このブログでは基本的に不透明では描いていませんが、自分の幅を拡げる意味でも練習する意味も面白さもあると思います。

この場合も、存分なダイナミックな描き方を目指した方が良いと個人的には思っていますが、しかし透明水彩にはない精緻な描画を期待する時にも用いられます。デジタルやもっと前の時代にアクリル絵の具が登場する以前の雑誌アートの類は一般的にガッシュで描かれていたのではないでしょうか。プラモデルのボックスアートなどもそうだったはずです。

上から明るい色を乗せられることは、それだけ研究しなければならないことが増えるということです。そこには別の難しさが出てきますので、修正できるから透明水彩の方が難しいと言う人をあちこちで見ますが、むしろ自分を謙虚にして少し思考の幅を変えた方が良いと思います。

ここは教えるブログではありませんし私自身そんな大それた者ではないので無粋な講釈は避けますが、どんな画材にも妙味が潜んでいて興味が尽きません。様々に親しみ、気持ちを健やかに持って練習すればどんなことでも積み上がるものがあります。私たちは普通にそれを、他に適当な言葉もないので、上手くなるとか上達するとか表現しています。ここを素直に考えたいと思います。あれこれと言う必要のない部分です。気持ちを捩じってはどんなことも曲がって行きます。

本日もありがとうございました。